ブラック校則、時系列考察(前編)
こんにちは。ゆうです。
”#メンバーが楽しそうならそれでいいや”から見る佐藤勝利さんの魅力
「自分がやられて嫌なことは人にしてはいけません」
という教えがあまり好きではない。
この考えを逆手に取る連中が多すぎる。
「自分ならこの程度はいやだと感じない(から相手に何をしてもいい)」と屁理屈を言い、相手の嫌がるからかいやイジりをしてくるのだ。
その場合、苦笑いしながらその場の「空気」に合わせなければ、心の狭いやつ認定を受けてしまう。
なんだか損な世の中だよなあと息苦しさを感じながら帰り道を歩く日もあった。
こういうことを考えるときは決まって、「そんな細かいことを考える性格だからしんどくなるんだ」という劣等感や自己嫌悪、「エラそうなこと考えてるけどどうせ自分も気づかないうちに相手の嫌がることをしている」といった自虐。生産性のない思考に着地する。
かといってうまくアウトプットする場所もないし、わざわざ吐き出すほどでもなかったが、心のどこかで誰かに肯定してほしいと願っていた。
今日は、そんな私の鬱々とした面倒くさい部分が、佐藤勝利さんによって肯定された気持ちになったという話をしたい。
それは、私が勝利くんに対して感じている魅力に直結する。
そのことを一番説明し易いのが、先日SexyZoneが8周年を迎えた際に、勝利くんがブログで発していた”#メンバーが楽しそうならそれでいいや”というハッシュタグである。
(ちなみに彼はハッシュタグの用途を分かっていない。「いやこれシャープじゃね?」とか言っていてそれはそれでかわいい以下略)
ここでいう「メンバー」は健人くんのことであるが、わたしは勝利くんの、相手のやりたいことや感情を否定しないで受け入れる真面目なところに惹かれたのだと再認識できる言葉だった。
思えば彼の姿勢はいつも一貫している。
【ブラック校則】の雑誌インタビューで海人くんが「これは言わないほうがいいかな…?」と言い淀んだ時は「海人が感じたこといえばいいんだよ」と促し、
ラジオでリスナーから深刻な相談を受けた時は精一杯相手の状況を想像して、一言ひとことを大切にして答える。
「俺にはよくわかんないこともあるかもしれないけど、君は君の感じたままでいいんだよ」と相手を否定せず受け入れる考えが随所に表れている。
MOREのインタビューでも、「相手を否定しないこと」は彼が日常から意識していることだと語っていた。
個性豊かな五人がSexyZoneとして8年間やっていくために、色んな意味で”真ん中”として彼が修得していくべきものだったのだろう。
勝利くんは、「自分がされてどうか」ではなく、「相手がどう感じるか」を基準に行動できる人だと本当に思う。
ここまで一貫している人を、私は彼の他に知らない。
なのに頑固な一面もあって、相手の求めてることに必要以上に合わせることはない。
ファンが求めてる甘い言葉は容易に発しないし、うちわにも無理して応えない。
それがアイドルとしてどうかみたいな議論は置いておいて、自分が自分であるために何が必要なのか、彼はおのずと理解している。
齢22。わたしより遥かに年下の彼がここまで人徳に優れていることは、彼の歩んできた人生の苦難と努力を思わずにはいられなくて胸が苦しくなる。
きっと彼は、もし私が心の内を明かす機会があったとしたら、決して頭ごなしに否定することはしないだろう。
そういう人がこの世に存在しているということを知って、私はなぜか自分のことを肯定してやれるようになった。
話はさらに飛躍する。
そんな勝利くんが2019年10月18日のMステ3時間SPで さらに「化けた」。
私の勝手なイメージで恐縮だが、ライブなどのパフォーマンスで見応えがあるのは、いつも上ふたり。ふまけんだった。
勝利くん、聡ちゃん、マリたち”ちびーず”はなにをしても私からしたら「かわいぃねええぇぇぇぇ😚😚😚😙」状態で、テレビをベロベロ舐め回していた。(ごめん)
しかし今回のMステは何かが違った。
特に健人くんはいつもに増して気持ちの入り方が尋常ではなかった。健人指定のハッシュタグでファンは盛り上がり、放送前にも関わらずツイッターではトレンドに入り続けた。
その熱量に呼応するようにエモーショナルなダンスを披露する健人くん。
その姿もかなり私の心に迫るものがあったが、それ以上に、勝利くんのパフォーマンスには目を見張るものがあった。
健人に触発されるように。曲のイメージどおり世間に疑問を投げかけるように。そしてグループと自身の本気を証明するかのように。勝利くんのパフォーマンスは完璧だった。
特に、目線の動かし方。
今までは、この点で最も天才的なのは健人くんだと思っていた。(ちなみにふっと笑うタイミングが天才的なのはダントツで風磨くんで、天使の歌声から低音のSexyな歌声のギャップナンバー1はマリちゃんで、聡ちゃんはダンスのキレとかわいいとかっこいいの振れ幅が尋常じゃなくて以下略)
勝利くんは、もちろんかっこいいんだけれども、特に目力というところで今までに感想を抱いた覚えはなかった。
それが、今回は…カメラを”食いにきた”と感じた。初めての感覚だった。
カメラを食ったかと思えば、すんでのところで目線を他にやる。ああ、待って、もうちょっとこっち見て、という絶妙なタイミングで目をそらす。
…かと思えば「Wonder Child!」は、カメラを正面から見据えてニヒルな笑み。そして流し目。ぞくぞくした。
あなた、いつ、どこで、そんな顔覚えたの?(お母さんびっくりだわ)
そして、グループとしても完璧なパフォーマンスであった。
わたしはSexyZoneはダンスに5人それぞれの個性が出ているところが好きだ。
アイドルだから、ダンスはばっちり、最初から最後まで揃っていなければならない。そんな暗黙のルールは、私は必要ないと思う。
一人ひとりがいち表現者として集っているパフォーマンスが、私は大好き。
台風による二度の休演を余儀なくされながらもハムレットをやりきった風磨くん。
時間のやりくりができるようになり、仕事以外でも自分の幅を広げた健人くん。
学業とアイドル業の二足のわらじ、いやそれ以上を並行しながら”19歳”を一生懸命生きるマリちゃん。
映画、ドラマ、Huluで展開される新しいプロジェクトに初単独主演として座長を務めた勝利くん。
この夏、彼らがそれぞれの舞台でどれだけ成長したかを、あの数分が物語っていた。
一列になって体をうねらせる動きは完璧に揃っていて、個が集まって”SexyZone”になるまさにその瞬間を見た。
「彼等は私たちに”何か”を伝えようとしている」と、少なくともセクラバは直感的に感じ取ったに違いない。
こんなことを書いていたら、降りるべき駅を乗り過ごした。
慌てて反対方向の電車に乗ったら、また乗り過ごした。
10月23日。ついに私がセクラバになって初めてのシングルが発売される。
CDを買うのなんて何年振りかわからないが、価格が安すぎて驚いた。
彼等の8年を全て知ることは叶わないが、これからの彼等を応援していくことはできる。
セクラバのみなさん、めちゃくちゃ優しくて、毎日が楽しい。
私の不幸を願う人達よ、残念だったな。
ここに、声高らかに宣言しよう。
Sexy Zoneの5人と、私と、私に関わる全ての人は必ず幸せになる。
その一歩がもうすぐ始まる。ワクワクするね。
わたし、いつになったら吉祥寺に着くんだろう。
能天気なことを言う前に、人を待たせてはならぬ。
▼10月23日(水)発売 Double A side Single
「麒麟の子」
ジャニーズ嫌いのアラサー女が婚約破棄されてSexyZoneに救われた話②
こんばんは。ゆうです。
前回の話はコチラ↓
ジャニーズ嫌いのアラサー女が婚約破棄されてSexyZoneに救われた話① - 働くアラサーの日常
前回思ったより読んでいただけて嬉しいのですが、
②は期待せず読んでください…笑
本題です。
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上京した今年の春まで話を戻そう。
男運に恵まれない私だが、幸いにも友人には恵まれた。
家族に相談ごとをしない私にとっては、友人たちが唯一の頼れる存在であった。
大阪でも旧友に随分助けられたが、東京にも15年来の友人がいた。
その友人は、空っぽになって上京してきた私のもとを、頻繁に訪ねてきてくれた。
興味のない私に構わず、彼女は来るたびにSexyZone関連の映像を流し、時折解説を挟んできた。彼女も私と同じくジャニーズなど目もくれないタイプだった筈なのに、いつの間に。
正直言って、私はジャニーズが嫌いだった。
嫌いというより、怖かった、という方が正しいかもしれない。スクールカースト上位に君臨するネアカの男子が昔から怖かった。テレビに映るキラキラしたアイドルは皆それと同じに見えた。アイドルという立場の人は皆チャラくて世間知らずで、裏表があるのではないか、とも思っていた。
加えて、アイドルファンの群集も苦手だった。アイドルに向かって投げかける我を忘れた熱狂的な視線や黄色い声は、私には異質で狂気的なものに思えた。ほんの一部の話だとはわかっていたが、行き過ぎたつきまとい行為を繰り返す過激派が居ると知って、さらに引いた。
SexyZoneについての認識もその例外ではなく、大した興味も持たず今まで生きてきたが、彼らがデビューしたときのことだけは、なんとなく覚えている。
声変わりもしていない5人のあどけない子どもが過激なグループ名を背負い、純白の衣装に赤い薔薇を添えてデビューしたことは、私にもそれなりのインパクトを与えた。
こっ恥ずかしい台詞や歌詞を聞くに耐えかね、「こんな小さい頃からキャーキャー言われてるとロクな大人にならない」などと偏見極まりない感想を述べた覚えがある。
引っ越しして一ヶ月経っても、異動した先の仕事に慣れず疲れていた。社内でいつ元婚約者に会うかもしれないと怯えていた。人生のプランを覆した数ヶ月の出来事を反芻し、自己嫌悪と未来への不安と24時間戦っていた。
だが、誰かと何かをしているときだけは、その不幸な戦いに向き合わないで済んだ。次第に私は彼女と、テレビの中のSexyZoneといる時間に救われるようになっていった。
完全に沼に落ちたことを自覚したのは、バラエティ番組SexyZoneChannelの「恋愛抜き打ちテスト」という回を見たときだった。 ジャニーズはスクールカースト上位に君臨するチャラい男の子、というイメージが見事に打ち砕かれた。
特に佐藤勝利という子は、なんだ。容姿端麗、いかにもアイドルという見た目なのに、恋愛に対する温度感が恐ろしく低い。必要以上に自分を飾る様子がまるでない。それが私にとっては好印象であった。
聞けば彼は車・メカニックオタクかつ人見知りだという。でも、メンバーやスタッフに見せる人懐っこい笑顔は小動物のように愛らしい。 かわいい。顔がいい。
「・・・私、この子好きかも」とつぶやいてしまった。沼の淵に立った。
沼の主は食い気味に「そうだと思った!!」と言った。長年の付き合いで、私の趣向はお見通しである。
最後のトドメと言わんばかりに畳み掛けるようにして巧みなプレゼンテーションを繰り広げ、彼女は私の足をつかみ一気に沼に引き込んだ。
沼から抜けさせまいと、今度はコンサートDVDを見ながら、彼らの経てきた歴史を辿った。
全員育ちが良く、誰もタバコを吸わないこと。スキャンダルを出したことがないこと。恵まれない時代があったこと。幼さゆえに、メンバー間に軋轢があったこと。乗り越えて、手を取り合った瞬間があったこと。今は、聡ちゃんがお休みしていて心配なこと。
バラエティ番組とは違う、コンサートでの彼らの真剣なまなざしと笑顔にドキっとした。何より作りこまれたおしゃれなパフォーマンスに感動した。彼らはエンターテイメントのプロだ、と思った。
そこからは早かった。
友人が来ない日も、彼女が置いて行ったDVDを見た。ラジオを毎日聴いた。テレビや雑誌を追いかけた。ネットで情報を漁った。短期間だが、費やした時間ははかり知れない。彼らの発する言葉のひとつひとつ、歌の1曲1曲が、私を少しずつ元気づけた。
人の気持ちに寄り添い、つらい日々を知って誠実に生きている人でないと発せられない言葉がたくさんあった。フェミニズムを理解し、国際的な視点を持ち、知性と品性を兼ね備えたsexyなグル―プだった。
誰だよ、ロクな大人にならないって言ったやつ。
彼らのように時代を創るアイドルグループが、もっと世の中に出るべきだと確信した。
入るつもりのなかったファンクラブに、気がついたら入会していた。7月末のことだった。
即席で買ったDVDプレーヤーで映される映像では彼らの美しい顔を拝むには限界を感じ始め、事に一区切りがついたらBlu-rayプレーヤーを買おうと心に決めた。丁度、最新ライブの円盤も発売されるようだから、それも一緒に。
そうしているうちに、破談の清算にも終わりが見え始めた。
自己嫌悪や不安に支配される時間が少しずつ減り、代わりに誰よりも努力している彼らを想い、恥じぬ生き方をせねばと思うようになった。 それが何よりの回復の証だった。
私が愛してやまない脚本家・坂元裕二氏のドラマ【いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう】の中に、印象的な台詞がある。
「私は新しいペンを買ったその日から、 それが書けなくなることを想像してしまう人間です」
派手だった木穂子<高畑充希>が自分を偽ることをやめ、本当の自分について告白した言葉である。
あー、わかる、私の性格もまるまんまこのとおりだわ、 と当時激しく共感した。
私も、物事が始まるときまずそれが終わる日のことを想像してしまう、ネガティブな人間だった。
しかし、調べてみると、この台詞には続きがあった。
「でも、もうそれもやめにします。(中略)買ったばかりのペンで、思う存分あなたをすきだと綴りたい」
木穂子は偽りの自分を捨て、弱さを認めたうえで、幸せを手に入れる決意をする。
居てもたってもいられず、ペンを握った。
まさか、自分が28歳にしてアイドルにファンレターを書く日が来るなんて思ってもいなかった。他に幾つも選択肢がある中でアイドルをしてくれてありがとう、と率直な感謝の気持ちを綴った。
私には、ドラマのようなハッピーエンドが訪れる気配はまだない。
でも、この世界も悪いもんじゃないな、と思わせてくれるグループに出会うことができた。
買ったばかりの新しいペンで、私の人生のPAGEをゆっくりと綴っていこうと思う。
一行ずつ、一枚ずつ、彼らと一緒に。
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Sexy Zone Official Site|ディスコグラフィー
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最後強引ですいませんwwww
拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
気にしてくれてた方がいたので補足すると、仕事もちゃんと続けています。
幸いにも彼とは部署が全く違うので、顔を合わせることもありません。
営業を離れ、仕事も新鮮で前向きに頑張っています。
でも、恋愛はしばらくいいかな。結婚に焦る気持ちはなくなりました。
この話を読んで、少しでもSexyZoneに興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいです。
次はもうちょっとディープに書きたい。。。
あと、今はもうジャニーズへの苦手意識はありません。
平和な世界を目指す、エンターテイメントのプロだと思っています。
最後になりましたが、偉大なるジャニー喜多川さんに、心からの感謝とご冥福をお祈りいたします。
STY🌹
では、また。
ジャニーズ嫌いのアラサー女が婚約破棄されてSexyZoneに救われた話①
はじめまして。ゆうと申します。
慣れないので読みにくいかもしれませんが、自分の直近を記す意味も込めて書き始めてみました。
ブログの題名のとおりなんですが、ジャニーズに抵抗感のあったわたしがSexy Zoneにハマった経緯を説明するには、まずはちょっと重い話にお付き合いいただかねばなりません。
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婚約が破談になったのは、2019年2月末。結構最近。
婚約破棄というと、言葉だけ聞くとそう珍しい話でもないだろう。
大ヒットドラマ「アンナチュラル」では三澄ミコトは仕事に熱中するあまり婚約者に見放されるし、種田ロスを引き起こしたドラマ「わたし、定時で帰ります。」では、結衣は婚約者に浮気された上、婚約破棄を告げられる。しかも結衣にとっては二度目の婚約破棄。相当なトラウマだろうと推測するが、作中では円満破談として描かれていて驚いた。
私の知る限りドラマの中では婚約破棄は頻発するし、そう重い出来事として扱われない。どんな主人公も最後にはハッピーエンドを手に入れるから、視聴者も特段気に留めることはない。
実際に自分の身に起こってみると全くもってドラマのように気楽ではいられないのだが、この文章を読んでくれているみなさんには、ありきたりなドラマを流し見しているくらいの感覚でいてほしい。
婚約者とは、2年ほど前にニューヨークで出会った。かっこよく言ってみたけど、要は社員旅行である。
意気投合して、付き合いはじめ、遠距離恋愛をして一年くらい経ったころ、年頃のカップルに相応しく自然と結婚の話が出た。
相手にそれなりに不満はあったけれど、結婚ってそんなもんだろうと思っていた。
それまで粘着気質な曲者に好かれ数々のレジェンドを持っていた私の経歴からすると、少々淡泊な彼は丁度良いと思っていた。なにより対話を大切にしてくれる人だと信じていたから、結婚を決めた。
5年続けていた営業職がつらくて体調を崩していて、環境を変えたいと思ったのも理由の一つだ。
私たちは結婚を一つの区切りとして、二人で新しい場所で新しい生活をスタートする決断を下した。
両親にも婚約者を紹介し、上司にも報告し(結果私も彼も東京へ異動することになった)、婚約指輪を買い、新居を決めた。
あとは引っ越すだけというときに、事件は起こった。
相手の浮気が発覚したとか、まとめるとそういう類のよくある話である。
バレてバツが悪くなったのか、連絡が途絶えた。話し合いの日も直前ですっぽかされ、会えたとしても自己保身の言葉か黙りこくるかで対話にならない。おおよそ婚約者に対する態度とは思えない、散々な対応であった。
そんな難しい話ではなかったはずなのにどんどんこんがらがっていき、最終的には「君の優先順位を一番にできない」「自分のすべてを受け入れてくれないなら結婚はできない」などと今回の論点ではないことを理由に振られた。紆余曲折した一か月は、止まらないタワーオブテラーに乗っているようだった(乗ったことないけど)。
破談になってからも、私の気持ちをよそに忙しい毎日が続いた。破談になったって、東京への異動の話はなくならない。予定通り辞令は出て、仕事の引き継ぎや新しい部屋探し、家族や友人への報告で気を揉んだ。
楽しいことはなかった。心が疲れる前に身体を疲れさせようと、終電まで働き酒を浴び、友達や先輩の家に泊めてもらい紛らわした。
5年間働いた大阪に想い入れは相当あったはずなのに、軌跡を振り返って名残惜しむこともなく、どす黒い感情を連れて上京するしかない自分の人生を恨んだ。
もうここに書くのも恥ずかしい話だけれど、 婚約破棄されてボロ雑巾みたいに傷つきやつれた私に、 告白してくる強者がいた。私の事情を全て知って、それでも支えたいと申し出てきた。同情の気持ちなら止めてくれ、 半端な気持ちで優しくしないでくれ、と突き放しても食い下がり、 誠実な言葉と行動を尽くし続けてくれ、 トラウマを持った野良猫のように荒ぶる私の心に見事入り込んでき た。弱ってたんだな。
警戒心の強い私だけれど、一度警戒を解くとはやい。「 これも縁か」と諦め、心を開いたところで、「別の子( それも私の良く知る人)と付き合うことになったから、 君とは付き合えない。ごめん」と泣かれ、 まだ付き合ってもないのに振られた。泣きたいのはこっちなのに、 このときにはもう涙は一滴も流れなかった。
この出来事が私の決定打になった。自分を含むこの世のすべての「 恋愛感情」というものに嫌悪感を覚えたし、自分のことを短期間で二度も否定された事実を受け止めきれなかった。
西梅田の憧れのジュエリーショップで買った婚約指輪は、 御徒町の小汚い宝石買取所であっけなく売られていった。 拙い日本語を操る外国人が、 大量のダイヤを少しでも高値で売ろうと粘るその横で、 私はたった一個のダイヤを、 提示された金額から少しも交渉することなく、即決で売った。
いい加減な婚約者に自覚を持たせるために、 婚約指輪を買ってもらうよう仕向けた当時の私を褒めてやりたいと 思った。結局、 指輪があったって彼が自覚を持つことは叶わなかったけれど。 この指輪のおかげで、婚約の事実は証明され、 私は社会的にも法的にも不利な状況に立つことは一切なかった。
あらかたの清算を終え、 最後の儀式として売り飛ばした婚約指輪は、 取り急ぎブルーレイプレーヤーとSexyZoneのライブ円盤に変わった。婚約者がSexyZoneになるなんて、 これ以上ない幸せだし最高のネタじゃん、 と帰り道一人でニヤついた。悲しくはなかったけど、 いろいろな人にLINEを送って報告した。
話が前後したが、婚約指輪を売るころには私は立派なセクラバ【 SexyZone Loversの略。セクゾファンのこと】になっていた。 破談にあたっての諸々の清算に時間がかかり( もちろん相手のせいで)、 一息つくころには夏期休暇に入ろうとしていた。
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今日はここまで。
読んでくれた方ありがとうございました。
続きはまた明日。
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